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光合成で水が分解されて作られたプロトンはどこに行くのだろうか?

植物の光合成では水が酸素と電子と水素イオン (プロトン; H+) に分解されます。この反応を触媒しているPhotosystem II (PSII) 蛋白質では、触媒サイトの分子構造は明らかになっていますが、そのどこでプロトン(H+)が発生し、どのように排出されるかは不明でした。蛋白質の量子化学計算を用いてプロトン移動のポテンシャルを調べたところ、そのポテンシャルが下り坂 (downhill) になることから、触媒サイト内の酸素原子「O4」からプロトンが排出されることが分りました。

参考文献:

[1] 光合成水分解反応初期に利用される水素イオン移動経路を解明(東京大学プレスリリース 2015.10.7)
[2] K. Saito, H. Ishikita, Nat. Commun. 6, 8488, (2015)
[3] T. Takaoka, N. Sakashita, K. Saito, H. Ishikita, J. Phys. Chem. Lett. 7, 1925 (2016)